アートって何やろ?10万円のアート作品にそれだけの価値を見いだせるか?

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作家の寒竹泉美さんのnote記事「アートの価値について、ぐるぐる考える」を読んだ。
これ、すごくよくわかる。

・アートの価値について、ぐるぐる考える
https://note.com/kanchiku/n/n20f97d1b2e6c?fbclid=IwAR0_pq-AOf6gTBTaV6OCGXMR-hOH5KO9qxZLEY-sFy08t9S9m_Im_5AYUws

ちょうど今、アート・写真の講座を受けていて、読んでいて頭に浮かぶことがたくさんあったので書き留めておきます。
これ、完成された考えでは無く頭に浮かんだことなので、決して反論しているワケではなく意図せずそうなっていても、そういうつもりは一切ありませんので…。

また、講座で聞いている話は、ハイアートといって最先端の作品たちのことで、一枚1億円とかするような話。
一方、note記事に出てくるのは10万円の絵画ということで、それとは話がちょっと違うのかもしれませんが、こういう見方もできる…ということで書いていきます。
それに、突き詰めると案外それらのアートは地続きかもしれません…。

ポイントは、
・10万円のアート作品にそれだけの価値を見いだせるか?
・作品の価値とは、経験?工数?見た目?
・買い手の気持ちは?どういうつもりで買うのか?
あたりで書いていきます。

アート作品の値段をどう捉えるか?

まずは、作品の値段から。
作品の値段として、これが私の一週間分の売り上げと同じ…とすれば、なかなか納得できない。この小さな絵一枚が私の一週間分???という気持ち。
しかし、アート講座を受けていて感じるのは、自分の部屋に飾る絵の値段はせいぜいこれくらいだ…という観点はなくて、もっと別の意味を持って買っているらしい。
それはコレクターと言われる人々だったりする。

コレクターといえば収集家と訳され、好きな絵を集めて壁に飾って満足している…と思われそうだけど、実はコレクターとはパトロンでもある(厳密には違うが)。
パトロンは、アートという活動をしている人を買い支える…という人々。
そう思うと、一週間分の売り上げの価値と等価か?のような判断は無くなっていく気もする。
でも、アート作品(=アート活動をする人)はそんなに価値があるのか?というところに戻ってきてしまう。

アートを活動として捉える

アートを最先端のハイアートに限って言えば、時代を記録して残している活動とも言えるらしい。
人類は、その活動に対して価値を見出している。
村上隆の「My Lonesome CowBoy」は、2000年の日本といえば「アニメ」という文化が台頭していた…という時代性を作品に写し取っている。

それを、その時の最高の素材を使ってフィギュアにして1000年先に残す考えらしい。これは、言ってみれば1000年先の人にすればミロのビーナスと同等の見え方をするということ。
パトロンは、このフィギュアの制作(時代を残す活動)を買い支えている。
この時代を残す活動というのは、そんなに価値があるのか?ということになる。
しかし、時代時代の事というのは、残さないと一瞬で消え去ってしまう。
写真家があちこちを撮っているのにはそう言った意味もあり、有名な写真家が撮ったものは後世で見返される可能性が高い。

そう思うと、アート作品は、単に壁に飾って鑑賞するもの…というと、そうではないということがわかってくる。
過去のアートはその時代を見ることができるが、現代のアートは、現代の人にとっては鑑賞するものではないのかもしれない。
未来に残す活動の一端を担っている…とか。
そんな考えなら、アートを買う気分も変わってくる?

では最先端のアート作品はどうなっている?

アートの先端のこと。
ハイアートな写真で、最高落札額を記録したグルスキーの場合の価値というのを聞いたところによると…
ライン川2という作品は、ライン川を何枚も写真に撮り、パースがつかないようにコンピュータで合成してフラットに仕上げた壁サイズの作品。

この作品の評価ポイントは
・ベッヒャーの文脈を発展させて新しい地点にいる。
・当時誰もやっていなかったコンピュータの合成で作品を作り上げた。
・パースや陰影を廃した現代アートの文脈。
・当時最先端の巨大なプリントサイズ(美術館対応)。
て感じでしょうか。
アートの文脈に乗っ取ってその時代の先端を初めてやった…ところが評価される。

さらに、日本ではアーティストが金儲けに走る…と言われるように、アートのマネタイズに印象が悪い。
しかし、世界のアートはマネタイズ当然だということ。

部屋に飾れる作品ってどんなもの?

自分も作品制作を考えたとき…
自分が、部屋に飾りたい絵とはどんなものか?考えた場合。
シンプルで、観光写真でなくて、整理されていて…
出てくるイメージは、ヘンな主張やクセがないものへと収束していく。

そうなると、例えば抽象的なものだったりする。これは描く対象がないということ。
この、ああでもないこうでもない…という微妙な作品のテーストを生み出すのに、人生をかけて試行錯誤するのが作家の仕事。
だから、作家には価値がある。普通の人にはそう簡単に真似できないことを通ってきてそこにいる。
だから、赤松亜美さんの絵を見て、そういうことの末にある作品と思えるし、そこには価値も感じられるのかもしれない。
アート作品というのは、ポンと出来上がったものではない長い道のりを経てやっと辿り着いてそこにある…ということ。

アートを買う資格

だから、それを想像できない人には本当の意味で作品を買う資格がないのかもしれない。
完成状態を単に楽しむだけでもいいのだけど、そうするとやはり物質的な価値に縛られてしまうことになる…ここがポイントか?

私はまだアートを買ったことはないのだけど、想像すると…
映画を見に行った時のパンフレット、Youtuberの発売する写真集、好きなミュージシャンのツア〜パンフ…これらに近い気がする。
これらはどれも、内容の割にちょっとお高い。
しかし、映画やコンサートなら見に来たシルシに、Youtuberなら祭りに参加する…といった具合に記念や援助として購入をする。
これとちょっと似ている。
アート作品を買うということは、気に入ったアート(見た目)という入り口を通って、作家を買うということをしているのかもしれない。

自分で撮る写真を部屋に飾れるか?

寒竹さんは、「作品として好きなものは山ほどあるけれど、部屋に飾るなら、寡黙な作品がいい。わたしはこの部屋で、日々いろいろな人になり、いろいろな言葉をつむぐから、言葉が固定されるようなものは飾れない。」と書いている。
寡黙な作品…というのは良くわかる。
うまく言えないのだけど、余計な印象を発しないものがいいと思っていて。
それは私の場合、余計な意味、稚拙さ、主張、下世話さ、ダサさ、未整理…などの点でアウトだ。
自分の撮った写真を一切飾ろうと思わないのはそういうところ。
私には、まだそういう写真が撮れないということ。

まとめ

とりあえずここまで。
10万円と1億円の距離は遠い。
でも、何かが繋がっているような気がするので、忘れないように書き留めました。

引用:アートを買う理由は何ですか?
一般的に我々がアートを購入する目的というのは三つに集約される。 それは、インテリア、投資、社会貢献であり、あまり意識はしてなくてもほぼこの三つのいずれか、または組み合わせで作品を買っていると思ってよいだろう。
ttps://tagboat.tokyo/collectorinformation/purpose-of-buying

この記事を書いた人

holiday_camera_snap
写真・カメラ愛好家。グラフィック・WEBデザイナー。2004年から写真を始め、スナップ、ポートレイトなど精力的に活動。同時期に自作のホームページを立ち上げネットでの発信も開始、全国のカメラ・写真好きと交流する。
雑誌掲載多数。PHaT PHOTO CONTEST 100Point達成。誌上個展開催。


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