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100年残るアートを作るには?
写真世界では、長く残ることを考えたときに、よく支持体の話になる。
銀塩やプラチナプリントの絵自体は耐久性があるが、それよりもそれをプリントする紙の方がずっと弱いからだ。
そこで、100年残るアートを作るには?について考えてみた。
100年先に残す要素は?
・アートとしての素晴らしさ(コンセプト、コンテクスト、美しさ…)
・耐久性(工芸品としての完成度
例えば、この二つのことが想定される。
これらは、アート作品を作る上で誰もが考えること。
誰がアートを100年先に伝えてくれるのか?
では、少し視点を変えて、誰がアート作品を残してくれるのか?について考えてみる。
いくら、この作品はいい作品です!と言っても、
それをわかってくれる人がいて、買ってくれて、残してくれないと作品は100年先に届かない。
逆算してみよう。
100年後、作品はどこに存在するのだろう?
おそらく、美術館やギャラリーや個人のコレクターのところだろう。
しかし、100年先に、これは100年前の作家の作品です…と言って世の中に作品の存在を周知できるのは、
美術館か大きなギャラリーだろう。
もちろん、超有名な作品を大金持ちのセレブが所有していることもあるが。
では、美術館に所有してもらうにはどうすればいいのか?
その要件を考えてみると…
・芸術的・思想的な強度(コンセプトの明確さ、テーマの深さ
・文化的・歴史的な文脈性(美術史、社会背景とのつながり
・作家の活動実績(展示歴・受賞歴・批評での評価
・美術館の収蔵方針との一致(美術館のテーマや方向性に合っているか
・作品の保存性・管理性(長期保存が可能な素材・フォーマットであること
・希少性・独自性(他にない視点、表現、語り方
作品のこれらの要素が揃って、初めて美術館に収蔵されるチャンスが生まれる。
だから、かなり狙い撃ちで作品を制作することが必要なのかも知れない。
ぼんやりとテーマを考えて、浮かんだキーワードからフィーリングで制作を始める…という方法ではとても収蔵は難しそうだ。
実際にどんな作品が美術館に収蔵されるのか?
実際に所蔵された作品の傾向を見ると…
・草間彌生:反精神医療、女性性、ミニマリズム、ポップアート
・杉本博司:時間と記憶、死と歴史、超高精細な写真表現
・奈良美智:日本文化、孤独、子どもの表情を通した現代の感情
などになる。
つまり、作品の制作は、
・残してもらう相手を決め、
・その需要や傾向を探り、
・社会への問題提起、貢献、時代性…などを取り入れ、
・ビジュアル的にも品質的にも、歴史的なレベルをクリアする、
そんな計画を立てて実行することになるのだろう。
100年後に残すシステムに作品を乗せる
さらに、100年残すためには、その100年残すシステムに作品を乗せる必要がある。
それが現在なら、どこに当たるのか?も狙い撃ちする。
独自にシステムを作って残すことを考える場合もあるだろう。
しかし、100年スケールでは、一人が思いついたことなど定着する可能性は小さい。
自分が死んでしまえば、すぐになくなってしまうだろう。
で、例えば、美術館であれば…
作品をいきなり収蔵してもらうことは稀。
一般的には、
・公募展・美術館の企画展に参加
・キュレーターに紹介
・貸与(寄託)や寄贈から始まり、評価された場合に正式収蔵となるケースもある。
また、
・ギャラリーやアートフェアなどでの発表
・評論家や学芸員の目に留まる
・小規模美術館での展示・購入(パブリックコレクション)
・大規模美術館が検討
・キュレーターや審査会による選定・寄贈または購入
などとなる…。
やはり戦略を持って製作しないと、後世に残すには確率が悪すぎる。
とまあ、こんなところだ。
何が言いたいかというと、
これが合っているか間違っているかは別にして、ぼんやり作っていてはいけない…ということ。
また、考えが浮かんだら追記していこう。
(初回書き殴り)
メモ:所蔵されるために必要な主な要素
1. 芸術的独自性
他の誰とも違う、独自の視点や方法論。
新しい表現や問題提起が含まれている。
美術史の文脈における「次の一手」としての意義がある。
2. 社会性・時代性
現代社会の問題(ジェンダー・環境・政治など)と関わっている。
その時代や文化を象徴・反映している。
3. 理論的背景やコンセプト
制作の裏に哲学や思想、リサーチがある。
ただ「美しい」だけではなく、考える要素を持つ。
4. 発表歴・実績
評価の高いギャラリーや美術展での展示歴。
批評家やキュレーターに注目された経験。
すでにコレクターや小規模な機関に所蔵された実績。
5. 保存性・再現性
材料や形式が、長期保存に耐えるか(もしくは再現が可能か)。
デジタル作品であれば、保存フォーマットの安定性など。
6. 文化的・歴史的価値
その国や地域の文化にとって意味のある作品であるか。
多様性・マイノリティ視点・歴史的証言など。
7. ネットワークと推薦者
キュレーター、批評家、学芸員との信頼関係。
美術館の収蔵委員会に推薦してくれる専門家の存在。
投稿者プロフィール

- 写真作品の制作を思い立って、調べ始めるとそれは現代アート〜美術史につながっていた。そんなことで美術全体を調べはじめたところ。
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