
何年か前に、思い切って10万円のアート作品を購入したが、その価値をどう捉えればいいのかもやもやしている。。。
という記事を読んだのですが、今になってもう一度読んでみると違った感想を持ったのでメモしておきます。
その記事では、10万円を自分に置き換えて、何日分の労働か?何日分の生活費と同じか?などの切り口で比較していた。
今思うと、そのアートに10万円かけられるかどうか?は、
「その作品を好きになれるかどうか?」だと思う。
これは、ここ数年で、アートや美術史写真史、作品制作の方法、アート市場のでき方…などいろいろ調べた結果、今はそう思えるということ。
その作品を好きになるということは、どう言うことかと言うと、
まず、アート作品を好きになると言うこと。
それには、アートを好きになること。
それには、現代アートの成り立ちや美術史を調べるなどして、その面白さに気づくこと。
美術史を調べると、なぜ美術(主に絵画)が描かれてきたか?その時々で誰のために描いていたのか?時代によって技法・作風が移り変わったこと、作品の中に織り込まれた部品や意味…などがあって、少しでもアートに興味があるなら面白さを感じるはず。
そんな美術史を知ると、その後描かれた作品の中には、過去の作品のオマージュだったり、美術史の流れの延長で描かれていたり…することがわかるようになる。
すると、一気にアート作品を面白く見ることができるようになる。
そうすれば、有名な作品展示なども前のめりに観にいくことができるし、自分の手に届く値段の名前も知らない作家の作品が”見えてくる”ようになる。
そうなると、ぱっと見で好きになる要素に加え、その作品が何をしようとしているか?という作品が表現している事という要素も加わり、感情移入や作品の価値をより感じられるようになる。
ここまでくると、アート作品はかなり買いやすくなるのかもしれない。
それでも、私の場合10万円のアート作品はやはり高い。
それは、私の収入がそのアート作品と見合っていないのだと思う。
アート市場というのは、先端では世界のセレブに販売することで成り立っている。
だから、その時代時代でアートフェア(作品販売見本市)が開催される場所は、その時世界でお金が集まる地域だということだったりする。
つまり、アート市場はそっちの方向を向いている。
しかし、そんな私でも10万円のアート作品を買うことは悪いことではない。
そんな値段のアートを買うことで、実感を持っててアートの世界に参加することができるから。
それだけで、アートについての向き合い方が変わるはずだ。
もし、自分も作品を作りたいと思っていたらぜひ作品を購入するのがいいと思う。
それだけで、自分の作品がどの程度か?他の作家はどんなレベルか?が実感でき、作品制作のレベルがグッと違ってくる。
また、アートファンだという場合でも、高いと思われる作品を買うことで、より前のめりにアートを楽しんだり理解するきっかけになるし、何より作家を支えるというアートの本質を実体験しアートの世界に参加するという大きなことを体験・実行できるからだ。
これは、アートに関わる上で最も重要なことの一つではないかと思う。
つまり、そこがわかれば10万円のアート作品も高いと思わなくなるのかもしれない。
いま思うことはこんなところ。
書き忘れたことは、随時追記します。^^。










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